詩が気になる方のために


1ページ使いたいと思います
















『ウソ』 川崎 洋


ウソという鳥がいます

ウソではありません

ホントです

ホントという鳥はいませんが


ウソをつくと

エンマさまに舌を抜かれる

なんてウソ

まっかなウソ



ウソをつかない人はいない

というのはホントであり

ホントだ

というのはえてしてウソであり


冗談のようなホントがあり

涙ながらのウソがあって

なにがホントで

どれがウソやら



そこで私はいつも

水をすくう形に両手のひらを重ね

そっと息を吹きかけるのです

このあたたかさだけは

ウソではない と

自分でうなずくために