ぜりー えっぐ ―スマイル リズム―

この空間では、静かで音一つ響いていなかった。
白をベースにしたこの部屋!?には、何も無かったし、絵を描く画用紙のキャンパスのようでもあった。 平ら、奥行きがない・・・!?

犬や猫がじゃれて肉球のある手を動かすようにポンポンと突然、黒い手袋が現れた。
パントマイムをしているみたいに二つの手袋が開いたり、にぎったり、フィンガーアクションをしたり、無いはずの物を上げたり、下ろしたり、引っ張ったり、止めたり、縮めたりして無い人体を表現力を使って作っていく。
(人が居る・・・・・・!?)

手っ、手っ、手っ、手っ×4、BGMが部屋に流れ始めた。
空中に黒いハンコを押していく、黒く丸みのある靴が出てきてムーンウォークをしてゆく。
マイケル ジャクソンの『ビリージーン』がパントマイムと組んで舞台を作り上げでいく。
古い跡は、用がなくなると新しい跡を引き立てるように自然に消えていった。

ムーンウォークをしているが、足跡が小さく成っていき、白いキャンパスに奥行きを描いていく。
四方八方左右上下逆さに足跡を残していく。
 
 奥行きが場所場所で消えては、表現し、消えては、表現し、ハツカネズミの車輪みたいに足跡を描き、ワープし、ミュージカルサーカス+マジックを演舞していく。

足跡は、黒いインクが細胞分裂をするように黒い球体に成り、小さく散って行った。
絢香とコブクロの《あなたと》がゆっくりとビアノ音で流れる。

ピンポン玉と白い手袋がピアノを叩き、音を奏で、パフォーマンスをするように音の強弱や魂の叫びを相手に伝えるところでは、音によって大きさや色やスピードを変えてミックス パフォーマンス アートをやり遂げたのだった。