ぜりー えっぐ ―スマイル リズム―

一団体が催し物を行おうとしていた。
デブっちょとせ〜たかノッポとチビは、床体操をするような格好で揃って歩いて出て来た。
センターで一列を作って止まる。

三ロール以外は、何もなかった。
小刻みにドラムを叩く音がする。
せ〜たかノッポが両手を出して見えない棒を掴む。「よっ」
 真横に成り、「よっ」と掛け声を出して上に登っていく。

デブっちょも両腕を出した。
見えないポールを掴んで両足を空中で蹴って横に成って登っていった。

チビもそでをめくり、小さな腕のコブを出し、無いはずの棒を両手で握り、横に成り、空気を足で蹴って三ポールのトイレットペーパーで真横に成り、エアーを蹴ってエアーこいのぼりを見せて演じた。

楽し気なオルゴールが流れる。
それは、みんなに好かれている"笑点のテーマ曲"だ。
テン テケ テケ テケ てっ てっ ピー、
テン テケ テケ テケ てっ てっ ペー
の"てっ てっ"のところで 三ロール共 空気を足で蹴ったのだった。
回りの備品達から、多く拍手を貰う。 もらう。 モラウ。 喝采の嵐であった。

 欠点を乗り越えて頑張っていく姿が備品達に喝采をあびる程の感動を与えたものだと
思われた。
 努力・自分を超える力・相手に伝わる感動、素晴らしい事だと思う。
 みんなの中にも必ずあるんだよっ。 負けじに挑戦してみようよ。 ねっ。