俺は綾乃の事を思い出した途端、これを受け取っちゃいけない気がした。



これを受け取ったら・・・。



たかがクッキー。



だけど・・・ここで少しでも気を持たせてしまったら、



蘭子が可愛そうだ・・・。




「やっぱ、これは受け取れません・・・。」



「えっ?」



「蘭子、すまない!」



俺は深々と頭を下げた。



「俺には君を愛する事が出来ない。


  俺には、他に・・・
  

   愛している女性がいるんだ。」




「何言ってるんだ!隼人!!」



「お父さんもお母さんもすまない。」



「隼人!」



「もう、俺は・・・


  誰の言いなりにもならない!」



俺は、もう一度頭を下げてこの場を去った。




これから、何が起きようと・・・。



俺が好きなのは、永遠に綾乃だけだ・・・。



誰にも邪魔はさせない・・・。



~隼人side終わり~