「隼人君も、もう一人前の男性だな。」



「まだまだ、そんな事はありませんよ。」



なんて、作り笑顔を見せながら、



俺はこの後、この縁談をどう断ろうかとずっと考えていた。



蘭子は昔から知っている。



小さい時に遊んであげた事もある。



家でホームパーティをやる時、自然に他の子と一緒に面倒を見てあげた。



「隼人さん・・・。」



「どうした?蘭子。」



「これ・・・。」



と、前へ差し出したのは、手作りのクッキー。



「おいおい、蘭子。これを夜中作っていたのか?」



「はい。お父様。」



「隼人君、すまんが、貰ってあげてくれるかね?」



「はい、おじ様。」



そう言って、俺はクッキーを受け取った・・・。





そういえば、綾乃のケーキうまかったな・・・。