おれの恋



家の前に着く頃には、空の涙も引っ込んで

いつもの空に戻っていた。




玄関を開ける前に

「よしっ!」って自分の頬を叩く



(家に入るだけやのに

戦いにでも行くみたいな感じやな…笑)



ガチャ…



『ただいま〜』


靴を脱いでたら、リビングから母親が出て来て


「空!!まだ話終わってないでしょ!!」


空「もう終わったやろ?アタシ行かないから」


そう言うと、階段を駆け上がり部屋に行ってもうた…



「ちょっ!!空!!」


この狭い家の中で

そこまで大声あげんでも…って思いながら

『なあなあ、チラッと聞いてんけど…どう言うこと?』


よそ見をしたまま聞いてみた


「何て言ったか知らんけど、聞いた通りよ?おばあちゃんの所に行かすから。」


やけに、声が明るく聞こえる…


オカンの方を向くと、顔が笑ってる。





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