おれの恋




「何回もゴメンって言わんでよー…」


『ごめん…。あ…』


言われたそばから、また言ってまう俺…


(アホや。)



「クスクス…アカンやん(笑)てか、一つお願いがあるんやけど…」


『なに!?』


「駅までで良いから…手繋いでくれん?」


そう言った沙耶は、目に涙を溜め笑ってる


『お安いご用!!』


それくらいならいいかな?ってか

それしかしてあげれないからさー…。



『はい!』


手を出すと「ありがとう♪」って

握り返して来た。



人混みに紛れて、駅までの道のりを歩く。

これと言って会話もなく…無言のまま。




あっという間に駅に着いて、切符を買っていると


「あたし、用事あるから…ここで♪また連絡するなぁ!!」


『えっ?そうなんや。分かった!待ってるわ〜』


再び、人混みに消えてゆく沙耶の後ろ姿を見てた。




沙耶と会ったのは、これが最後。



.