おれの恋



飲みかけのビールを一気に流し込む


温くなり、炭酸の抜けたビールが
喉にまとわりついて、不愉快極まりない…。



周りに目をやると
みんな各自、楽しそうにしている


俺の隣は…

最初、斜め前にいた『優等生』タイプの女の子。


(まぁ、さっきの香水女よりはマシやな…)


「お酒…好きなんですか…?」


控え目な感じに話かけて来た…


『えっ?普通かな。飲まないの?』


「お酒、弱いから…それに、こう言う所…初めてだから緊張しちゃって」


ファンデーションと口紅だけの
一切、化粧気がない頬をピンクに染め
柔らかく笑う彼女を見て…

少し…ほんの少しだけドキッとした。



『そうなんや!俺も、こう言うの初めて(笑)えっと…名前、何て言うん?』


「神木 沙耶(カミキ サヤ)!さっきも言ったんやけど…」


ご丁寧にフルネームで答えてくれた…笑



『ごめん!全然聞いてなかった…』


「いいですよ!」


この、控え目な感じ…

空にも見習わせたい(笑)




.