隣でベタベタとくっついて来る空に、妙な気持ちを感じながらも、嫌な気分はしない。
結局 "空だったら何でもいいや♪" って思う俺は、やっぱり空に甘いのかも。
……ここはカラオケ
やのに、一切歌わず…ひたすら飲み続けるだけ。
これでもかって位の早口と体で一所懸命ジェスチャーをして、色んな話をして来る空と
そんな空の話を『うんうん』って、頷きながら聞く俺。
気がつけば、部屋に時間を告げるコールが鳴り
『30分延長して下さい』と伝えると
空が不思議そうな顔で俺を見て来た。
「まだ、おりたいん?」
『ん?ちょっとね。』
まだ、空に渡してない物がある。
……誕生日プレゼント
良く分からないんやけど…今、ここで渡さないといけない様な気がした。
俺の中の俺が『今や!』って伝えて来るから…。
『渡したい物があんねん!』
「なに?」
鞄の中に忍ばせてある、小さな箱を取り出し
空に渡した
『誕生日おめでとう!これ、あげる』
プレゼントひとつあげるだけやのに、何でこんな無愛想な渡し方しか出来ひんのやろ…?
「い、いいの?でも…昼間、家行った時 茜にも高そうな物もらってんけど…」
『あ…そうなん?これは、俺から。』
「ありがと…開けていい?」
『どうぞ!!』
ゆっくりとリボンを解き、中を見る空。
少し難しい顔をした後、次第にほころんで行く
「え…ありがとう…。嬉しい…」
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