俺達の街に着き、今まで繋いでいた手を無意識に離す…

ほんの数秒前まで
暖かかった手の平が、一瞬で冷える。




何も話さない空。




何故だろう…?

とてつもない不安に襲われる。

何か…嫌な予感がする…



(何も…起きません様に…)





ガチャ…


そーっと、家のドアを開けると

玄関で仁王立ちしてる母親が…


いつから、そこにいたんだろう?

寝てないのかな?目が赤い…。



『た、ただいま…』


「あんた達!連絡もしないで何処ほっつき歩いてたの!?」


顔を真っ赤にして怒る母親に

そんな母親をあしらう空。



「別にええやんけ。部屋、戻っても構へん?」


「空!!あんたは何で、いつもそうなの!?」


『朝から、そんな話せんでもええがな!』


空の前に立ち、母親から庇う



「光は黙ってなさい!!」




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