おれの恋



振り返ると、空がこっちに向かって歩いて来る。



「気使うわ、あの子」


そう言って溜め息をつく空は、疲れた顔をしている



『二次会くるんやろ?』


「恥ずかしくて行ける訳ない。まだ、あたしに恥を晒せと?」


さっきの事…気にしてるみたい。

まぁ、普通気にするよなー…。



「俺も行かない!空ちゃんと海たち、送るわ!!」


『えっ!?貴史も来ないん?』


来るもんだと思ってたから、行かない発言に目をパチパチさせた



「いつでも、みんなに会えるし!!さっき飲みすぎたがら帰るわ。」


そう言って、俺じゃなく空を見る貴史。



あぁ…そう言う事か…。

貴史が、目の前のグラスにほとんど手をつけてない事は分かってる。


やから、空と一緒におりたいか…
空が心配なのか、どっちかやろう。


俺の予想やと、前者やと思うけど。




ちゃっかりしてるよなー…。




「俺、海たち探して来るから〜ここで待ってて!!」




2人きりになると…

気まずそうな顔をする空に

俺まで気まずくなる…。



『大丈夫…?』


「なにが?」


トゲのある言い方をする空…



『何もない…。』



何気なく見た空の手…

右手の薬指から、左手の薬指に変わった

空の指輪。


それが、どう言う意味か分かるけど

あえて気付いてないフリをした。








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