前…会いに行った時、空が薬を飲んでいて…何の薬か気になって聞いたら「安定剤」って笑いながら空が言ってたのを思い出した。
その時の「安定剤」がポーチの中には沢山入っていて…
それを近くで見てる貴史が、気を効かせ後ろを向いた。
『辛かったんでしょ?大丈夫。誰も怒ってないよ?』
小さい子供をあやす様に言う…。
「ゴメンナサイ…」
『うぅん。我慢して偉い偉い!やから…もう泣かないの!ねっ?』
子供みたく泣き喚く空が心配でたまらないのに
時間は止まってくれない…。
『そろそろ戻らないと…。帰ったら話しよ?』
「うん。」
空の返事を聞き、貴史の方を向くと
"早く行け" と言わんばかりに首を動かしていて
ただ一言『頼むわ…』とだけ言い、走って戻った…
俺の存在って…空を苦しめるだけなのかな…?
空の立場は、どんどん悪くなって行く一方…
助けてあげたいのに
助けてあげれなくて…
俺は、どうしたらいいんやろ?
結局…空と貴史は、終わる10分くらい前に戻って来て
席につき、オカンと何やら話をしてるみたいやけど…聞こえない。
でも、良い話じゃない事くらい分かる…
あんな事の後やし、何よりオカンの顔が物語っていた。
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