おれの恋




「光ー…?」


握ってる手を、更に握り返して来る。


『はぁい?』


「大人になるって…寂しいね。」


『なんで?』


「だって、子供だったら…一緒に寝ても一緒にお風呂に入っても何も言われないのに…周りの見方が変わったって事は、アタシ達が大人になったって事でしょう?」


空の問いに、何て返したらいいか分からず…悩んでいると

勢い良く、お湯に顔を浸ける空



『何してるん?笑』


「んー…?」って、顔を上げた空は泣いていた…



こんな時でさえ、気の利いた言葉ひとつ言ってやれない俺は

わざと、気付いてないフリをした…




『てか、そろそろ上がらないとヤバくない?』


「せやな」




風呂から上がり、リビングに行くと

海と雪が帰って来ていた。



『お帰り〜どこ行ってたん?』


海「なぁに〜また2人でお風呂?笑」


なんて、ニヤニヤと笑いながら俺を見て来た。


妹に、こんな顔をされると複雑な気持ちになる…



てか…海も俺の気持ちに気付いてるんやか…?


いや…そんな事ある訳ない。

でも、あの鈍感な貴史でも気付いた位やし…

もう!!分からん…







その後、学校の事や、バイトの事や、恋愛の事…

4人で、時間も忘れるくらい話をして

その間も空は飲み続けてる…あはは。


でも、誰も明日の事を口にしなくて…

逆に…周りに気を使わせてるんかな?なんて思った。






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