空「その言葉、お好きなんですね。クスクス」


茜父「いや〜つい!」


空の嫌みに気付いてないのか
悪びれる様子なんて一切ない。



茜父「ん…?」


そう言って、しかめっ面をする茜の父親



『なにか?』


茜父「いや…2人でお揃いのブレスレットなんて、ほんまに光君たちは仲が良いんやな〜!」


何かを見透かす様に、俺と空を交互に見て来る。



体中の血の気が引いて、背中に刺さる視線が痛い。


オカンが…凄い形相で睨んでいて

"まずい" って、俺の本能が伝えて来た。



海ですら気まずそうな顔をしているのに

空はと言うと…何故かあっけらかんとしてる…。



空「可愛い弟なんで、これくらい許して下さい♪」


そう言って、ブレスレットを触りながら
茜の父親に、偽物の笑顔を向ける空。



茜父「やっぱり姉弟っていいですね!茜にも姉弟がいたら良かったんですが、何分一人っ子なんで…寂しい思いさせて来たから、空さん…仲良くしてやって下さい…。」


空「こちらこそ!可愛い妹が増えて嬉しいです♪」



ほんまに…そうやって思ってる?

もし、思ってるなら…何で後ろに隠した握り拳が震えてるん?



空「もう座ってもいいですか?」


茜父「どうぞ♪酔っ払いの戯言に付き合わせちゃってスミマセン」

そう言って、大口を開けて笑う。



振り返った空の顔が…一瞬、泣きそうに見えた…







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