おれの恋



「誕生日おめでとー!!」


『え…?』


空の言った言葉に訳が分からず、壁にかかったカレンダーに目をやる



『あ…、今日誕生日や…すっかり忘れてた!!!!』


最近、忙しかったり色んな事がありすぎて
空が言ってくれなかったら、気付かなかったかも。



「何々〜光、誕生日なんか!?おめでとう」


キッチンから顔を覗かせる、ばあちゃん。


「今日から大人の仲間入りやな♪」


まるで、自分の事の様に喜ぶから

悪い気はしないけど…少しだけ照れくさい。



『あ、ありがとう!』



俺も、今日から20代か…

つい最近まで子供やって思ってたけど

いつまでもフラフラしてられないよなー…。



「帰る前に、二人で出掛けて来たら?」


「そうしよ!光、出掛けようよ!?」


『せやな〜!』



急いでご飯を食べて、空の用意が終わるのを待つ。





「光〜、行こー!!」


『おう!!ってか…ばあちゃん、ありがとう。いきなり来てゴメンな。』



玄関で靴を履いてると
後ろから、ばあちゃんの声が聞こえてきた









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