おれの恋




『あっつー…』


知らん内に寝ちゃってたみたい…



見た感じ…夕方くらいかな?

心なしか、部屋の中が暗い。


『どんだけ寝たんだよ…あはは…』



あれ…隣で寝てたはずの、空がいない…。




『おはよ〜…』


キッチンに顔を出すと、ばあちゃんだけがいた



「あ、起きた〜?気持ち良さそうに寝てたなぁ!!」


『爆睡してもうた。てか、空は?』


「お風呂入ってる。今日の空…元気だから安心したわ。ずっと、お母さんや光には言うなって口止めされてたから言わなかったんだけどね。空には話したこと内緒よ?」


そう言って、昔と変わらない笑顔を俺に向ける。


何て返事をしたらいいか分からなくて…黙っていると、ばあちゃんが言葉を続けた



「自分の孫がこんな事になって、ばあちゃんは悲しいわ。賛成も祝福も出来ないし、絶対にあったら駄目な事…だけど、そう言う気持ちだけは大事にしなさい。」


『えっ!?どう言う事?』


ばあちゃんの言ってる事の意味が分からない…



「だから…生きてる間に、そこまで思える相手にそうそう出会えるもんじゃないって事。」





好きでいてもいいんやって…

諦めなくてもいいんやって…

そう言われた様な気がした。



今まで…否定され続けて辛かった気持ちが

少しだけ、楽になった…。









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