『貴史〜何か歌えや〜!』
「いやいや〜俺は空気なんで♪」
とか言いながら、デンモクと睨めっこを始める。笑
ピピピピピ…
番号が入り、イントロが流れだす。
貴史が選んだ曲は
あえて無視して…笑
大人しく聞いてるフリをしていた。
最後のサビにかかった時…
『好き…』
聞こえないだろうって思ったから…
初めて、空の近くで自分の気持ちを…口に出してみた。
「あたしも…」
聞こえるハズないのに…
確かに聞こえたんや…
そしたら…俺の目から涙が出て来た…
『ごめん…』
「なんで…?」
やっぱり、空に俺の声が聞こえてて
俺にも空の声が聞こえる。
『何でもない』
「うん…」
位置的に、空の顔が見えないのが残念やけど…
泣いてないなら…それでいい。
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