小走りで駆け寄って来た空は
若干、怒(おこ)り気味…
「もう!置いて行かんでよ!!」
『ごめんごめん(笑)恥ずかしかったんだよ!!』
「だって、ほんまの事やし!」
空ー…
『いや…それは嬉しいんやけどな!でも、恥ずかしいから(笑)』
「ほな、次からはコッソリ言うわ♪」
嬉しいって思ったのは確か!
やけど…無駄に期待させないでくれ…
俺、アホやから勘違いしてまう。
はぁ…神様〜…もし、ほんまにいるなら
許してくれなくていいから…
目を瞑(つぶ)ってくれよ。
そしたら、俺の気持ちの全てを…空に言えるのに。
『はぁー…』
「ちょっと!ため息つかんでよ!」
『すまん(笑)てか、ここでいい?』
たまたま、目の前にあるホテルを指さす。
「いいで♪入ろ!」
一瞬…入るのを、躊躇った。
さすがに、姉弟でラブホは…ね…。
それに、誰かに見られたら…?
色んな事が頭をよぎる。
でも、「早く」って空に急(せ)かされ
中に入る…。
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