おれの恋



少ししたら、オカン達が帰って来て
髪の毛だけ綺麗にセットしてあるのに
私服のままやからミスマッチで笑える。


「光!スーツ出してあんの?」


『やっば…』


「出して起きなさいって言ったやろ!!」


すっかり忘れてた…クローゼットの肥やしになってる、俺のスーツ…


急いで二階に上がると、部屋の前に空がいる


『どうしたん?』


「車に行って来ようと思って!てか、アノ人達…帰って来たん?」


『そっか!帰って来てんで〜』


一瞬…空の顔が、曇った気がしたけど
すぐ笑顔に戻り


「分かった♪」

そう言って、階段をドタバタと降りて行った。









クローゼットのドアを思いっきり開けて
スーツを探す。


まだ、一度も袖を通した事がない真新しいスーツ…

まさか、一番最初が…こんな時だと思わなかった。



『はぁー…』



肌寒い位に冷房が、ガンガンに効いた部屋で

ソファーに倒れ込み、目をつぶる…



前に一度だけ、茜の父親に会った事があるんやけど…

なんて言うのかな…?悪い人じゃないっぽいけど、空気が読めない人。



『何事もなく…すんなり終わってくれ!』


一番、心配なのが…空。

短気やから、切れたりしないかな?って…。笑


『笑い事ちゃうしな…はぁー…』


そんな事を思いながら、睡魔に襲われて

そのまま眠りに落ちて行く…










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