おれの恋



耳を澄ませて、コッソリ聞く…


「光…結婚なんてしないでよ…」


こう聞こえた。


ズキン…

心臓でもない、もっと奥にある
俺の心に一瞬だけ痛みが走る…。



ガチャ



ゆっくりとドアを開けると…バッと振り返る空。



「……………。」


『……………。』


今、俺の前には…ずっと会いたくて会いたくて仕方なかった人がいる…


大きな目を丸くして停止したまま動かない空に、思わず苦笑いが出た。



「ひ…かる…」

そう言うと、目から大粒の涙がポタポタと出て来て

俺に抱き付いて来た…



『やっと…会えた』


「会いたかったー…」


久しぶりに、近くで空を感じれて
涙が出そうになって
空の匂いに愛しさが溢れた…


「光」「光」って抱き付いて泣く空が
可愛くて仕方ない。


『てか、連絡して来いよ…』


抱き締めたまま話をする


「うん…ゴメン…」


『まぁ…今日会えたし、しょーがねえから許してやるわ!笑』


俺、何でこんな素直じゃないんやろ…あはは。



「光…痩せたね?」


『そう?気のせいじゃね?』


俺の言葉に、首を横に振るだけで
何も言わない空。


そんな空をソファーに座らせ、冷蔵庫から缶コーヒーを2本だし空の元へ行く。






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