家に帰ってきて、リビングのソファーに腰をかけ
携帯をいじる。
最近…ってか、あの日以来
空に電話をかけても出ないし
メールも、1日1通…返ってくるか来ないか。
しかも、やっと返事が来たかと思えば
一言だけ…とか。
俺、避けられてるんだか…?
それとも…男でも出来たんだか…?
色んな事が頭をよぎって、内心…焦る。
俺の選択は、間違いなのかな?
てか、俺…何がしたいんやろ…。
こんな気持ちのまま…とうとう来てしまった…顔合わせの日が。
逃げられない様に、周りから固め様って…
オカンのこんたんが見え見え…。
夕方過ぎに、晩ご飯を兼ねて会うとか言っていたのに…
朝からバタバタする我が家。
オカンとオトンは、美容院やら買い物で
昼前に出掛け
妹二人も、友達の所に遊びに行き…
今、この家には…俺一人。
自分の部屋に籠もり、この…やり切れない気持ちを落ち着かせる…
『結婚なんて…したくねえ…』
たまらず…本音が出てくる。
『のど乾いた…』
重い体を起こし、キッチンに向かう…
階段を降りて、真っ先に玄関に目が行くと…
女物の靴がある…。
『そ…ら?』
リビングのドアの前で止まったまま
中に入れないでいると…声が聞こえてきた。
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