『空の事。帰って来ていいんやろ?後…もう空の事、邪険にしないって約束しろ。』
空の為に、俺が出来る事は…これしかないって思った。
帰って来たいって…
こんなオカンでも好きや…
って言っていた空の為に
オカンがヒステリックを起こさず
優しく空に接してもらうには
これしかないやろ…?
俺が結婚したら
帰って来れるし、前みたいに普通のオカンにも戻る。
結果的には、これがベスト。
そう思うしかないでしょ。
「そんな事?分かったわ…約束する。その変わり、アンタも茜ちゃんと上手くやって行きなさいよ!!」
そんな事じゃねえし…
それが一番大事な事なんだよ。
『絶対に守れや?』
「分かってるわよ。あっ…ギリギリまで空に言うんじゃないわよ?」
『あぁ。』
これでいいんや。余計な事は言うな…
今まで、嫌な役ばっかりさせて来たから
次は俺が、空が望んでいる事をしてあげるんやで。
大丈夫。頑張れる…
「茜ちゃんのご両親に連絡しなきゃ♪」
そう言って、リビングを出て
電話をしに行った。
オカンの姿が見えなくなったら
急に目頭が熱くなって、心なしか視界が歪む…
『泣くな…。男やろ!』
呆気なく、俺の人生が決まってもうた…
あははー…
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