おれの恋



そう言った俺に…

ずっとオトンの隣で黙っていたオカンが、口を開いた。


「光は絶対に "うん" って言うわよ。クスクス」

断言する様に言い放つ。



『どう言う意味だよ?(笑)訳の分からんこと言ったら、また叩くぞ?』


少しだけ落ち着きを取り戻した俺は、次に言ったオカンの言葉に…妙に納得してまう。



「別に光じゃなくて空でもいいのよ?相手の人なんて、いくらでも探せるもの!!でも…」


何や、このお節介ババアは…

結婚相談所の受付か何かか?


『でも?』


「あの子、反抗的でしょ?そんなこと言ったら何処かに逃げちゃうかもしれないじゃない?(笑)そうしたら、二度と会えないのよ?でも、光が茜ちゃんと一緒になるって言うなら、空もこの家に帰って来てもいいって思ってるわ♪これが、お母さんの優しさ!」



確かに…、そんなこと言ったら
大騒ぎして、消えそう…。



って言うか…、俺が空を好きって前提の話なんや。

二度と会えないのよ?って、変じゃねえか…?


怪しさ満載なのに…
何でか分からないけど、考えてる俺がいる…。



『ちょっと、考えさせて…。』


あぁ…分かってて、まんまと洗脳された気分。



「いいわよ♪さぁ〜て、ご飯にしましょ!!海と雪、呼んで来て!」


『俺、いらん…風呂入る。』


こんな状況で、呑気にご飯なんて食えるかっつーの…。


心なしか、満足そうな顔をするオカンと
やれやれって顔をするオトン。



自分の子供の事やのに

まるで他人の事みたいな態度が

不愉快、極まりない。





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