結局、オカンとの言い合いは
オトンが帰って来るまで続いた。
海と雪は、気をきかしたのか関わりたくないのか分からないけど、部屋から出て来ない。
父「2人とも、止めなさい!!」
呆れた様に言うオトンを見て、一気に我に返った。
『オトンは知ってんのかよ?こんな事、普通に考えて有り得ないやろ?』
「その事については、お母さんの意見に賛成や。」
ソファーに、向かい合わせで座り
オカンの方を見ながら話すオトン…。
オトンの視線の先にいるオカンは
「勝った」と言わんばかりに笑みを浮かべていて
その顔が、さらに俺を苛つかせる。
『はぁー…。どいつもコイツも…頭の悪い奴ばっかり。』
「親に向かって、そう言う口を叩くな!」
『自分の娘、追い出しといて〜都合の良い時だけ親面か?親ってええな〜。』
タップリと皮肉を混ぜて言う。
今の、この姿…空が見たら何て言うかな?
どうせ…また、自分一人だけ悪者になって
俺のこと庇うんやろな…。
『情けねえ…。ほんまに情けねえ』
思わず、口から零れて…
それを聞いていたオトンが
「情けないのは、お父さんとお母さんや。」って。
俺はさ、空を庇いたいだけじゃないんや…。
いつか空が帰って来た時に
次は悲しい思いをしなくていい様にしたいんや。
それを分かってもらいたいだけなのに
どんどん話がややこしくなって行く…。
『絶対、思い通りになんてならんからな!!』
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