「これも…だいぶ、くすんじゃったな…」
何をしでかすのかヒヤヒヤしながら見てたら
意外すぎる、思い切った行動に出る空。
「アタシの元気分けてあげる♪次に会った時、返して!」
そう言って、右手の薬指の指輪を外し
ネックレスに通した。
『え……。無理やし…』
何を考えてるのかサッパリ分からん
「いいからいいから♪」
『良くねえよ!!だって、これ…健也さんに貰った奴やん…』
この状況なら、誰もが俺と同じ理由で断るやろ…。
「うん。だから、預かってて♪」
空は頑固やから、一度言い出したら聞かない、
やから、今回も "預かって" の一点張りやと思う。
思わず、心の中で何処にもいない健也さんに問いかけた
"怒らない?" って。
俺が同じ立場なら、間違いなく怒ると思う…
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