キミの隣は特別席Ⅱ


パーティーが始まって1時間が過ぎたころ

「あの…春沢くんちょっといいかな?」

亀村がこそこそと俺とマナの所にやって来た。

「何?」

「ここではちょっと…お話しにくいので」

ここでは話しにくいことか…マナを一人にしときたくないし…


「樹、雪音。マナの側にいてくれないか?」

俺がそう頼むと、簡単に承諾してくれた。


「ちゃんと樹たちの側にいろよ!」

「わかってる!早く戻ってきてね」

少し心配そうな顔をしているマナを置いて、亀村について会場を出た。







「亀村、話って何だ?」

人通りの少ない廊下に連れてこられた。

「あたし…」

こんなところに人を連れて来たってことは…もしかして

「この結婚、したくないのか?」

「えっ!?いえ…このままだったら、あたし…」

何が言いたいんだ?

「あたし、中等部の時から春沢くんのことが好きでした。このままこの気持ちを引きずって結婚したらいけない気がして…」

そうか…決心つけるために…

「今さっき紹介したからわかってると思うけど、俺にはマナという恋人がいるから。」

「わかってます。あたし…これで悩むことなく結婚できます」

よかった…

「春沢くん、城田さんのこと大切にしてあげてください。」

そう言うと、亀村は先に戻ってしまった。



マナを置いてきてるからさっさと戻るか!!

兄貴じゃなくて俺が来て正解だったな






廊下の曲がり角を曲がった時…




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