パーティーが始まって1時間が過ぎたころ
「あの…春沢くんちょっといいかな?」
亀村がこそこそと俺とマナの所にやって来た。
「何?」
「ここではちょっと…お話しにくいので」
ここでは話しにくいことか…マナを一人にしときたくないし…
「樹、雪音。マナの側にいてくれないか?」
俺がそう頼むと、簡単に承諾してくれた。
「ちゃんと樹たちの側にいろよ!」
「わかってる!早く戻ってきてね」
少し心配そうな顔をしているマナを置いて、亀村について会場を出た。
「亀村、話って何だ?」
人通りの少ない廊下に連れてこられた。
「あたし…」
こんなところに人を連れて来たってことは…もしかして
「この結婚、したくないのか?」
「えっ!?いえ…このままだったら、あたし…」
何が言いたいんだ?
「あたし、中等部の時から春沢くんのことが好きでした。このままこの気持ちを引きずって結婚したらいけない気がして…」
そうか…決心つけるために…
「今さっき紹介したからわかってると思うけど、俺にはマナという恋人がいるから。」
「わかってます。あたし…これで悩むことなく結婚できます」
よかった…
「春沢くん、城田さんのこと大切にしてあげてください。」
そう言うと、亀村は先に戻ってしまった。
マナを置いてきてるからさっさと戻るか!!
兄貴じゃなくて俺が来て正解だったな
廊下の曲がり角を曲がった時…
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