キミの隣は特別席Ⅱ


「遅いぞ!マナ!」

お父さんに注意されて、優一の車にお父さんとあたしは乗り込んだ。



「もう生まれたかな?」

と運転している優一に話しをかけてみる。

「どうだろうな…生まれているかもな」


病院には10分ほどで到着した。

廊下にお母さんが立っている。

「母さん!」

そう呼ぶと母さんは振り返った。

「今さっき入った…涼くんは立ち会うって、中に入ったわ。」

そわそわしている母さんをそっと父さんが支えた。



1時間ほどたったころ…

赤ちゃんの産声が聞こえてきた…

生まれたんだ…女の子かな?男の子かな?

隣に立っている、優一の手をぎゅっと握ると、握り返された。

「佐原はよく頑張ったな?」

「うん…」

視界がぼやける…よくわかんないけど…涙が出てくる




しばらくすると、涼先が出てきた。

「涼くん!絢ちゃんは?男の子?女の子?」

母さんが勢いよく尋ねた。

「絢は疲れて子供見たあと、寝てしまいました。」

にっこりと笑顔でこたえる涼先。

「あと、子供は男の子です。」

男の子か…涼先似かな?絢似かな?後で赤ちゃん見せてもらおう!







.