キミの隣は特別席Ⅱ


「藤本さん!」
現れたのは、兄貴の秘書の藤本昇太。



「今日の会議の資料作ったの優一だろ?」

「はい。すみません、ミスがあったのに気が付かなくて」

俺も途中まで出ていた会議の資料はかなりミスっていた。

「まぁ仕方ないよ。後片付けは俺たちがしといたから、安心しろ」

藤本さんは俺の肩をぽんと叩いた。




「会長はアメリカに来てますか?」

「あぁ~優輝?来てるよ。まだ会議室にいると思う。」

そう言われて、俺は会議室に向かった。






「おぉ!優一!」

兄貴は顔をあげてこっちに振り向いた。

「今日はすみませんでした。」

「いや、いいよ。それより、相談でもあるんじゃない?」

さすが兄貴!おみとうしか…

「3日間休みが欲しい。」

「理由は?
…マナちゃんを捜すことだろ?」

俺は頷いた。

「いいよ。もうすぐ1カ月研修終わるし、たっぷり勉強できただろ?」

「あぁ、思っていた以上。」



兄貴から休みをもらい、俺は会社を出た。







マナの居場所は目星がついている。







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