「俺が好きなのも、
"今目の前にいるゆう"なんだけど…?」
今、目の前にいる…?
きっとこのときの私はすっごく情けない顔だったと思う。
どん底に落ちたと思ったら、今度は天国?
落ち着いてもう一度、言葉を反芻してみる。
俺が好きなのも、今目の前にいるゆう…
目の前のゆう…
わたし…?
俺の好きなの…
………わたし?!!!
そう簡単に
信じることは出来なくてつい、
瞬きが多くなる。
「…信じてないだろ。」
どんぴしゃりな指摘をされて面食らった。
だって、
さっきは…けどって…
きっと悲しい結果になるんだろうとばかり思っていた私に
思いもよらぬ吉報。
「…川瀬君も私が好き…?」
なんて恥ずかしげもなく、すらっと聞けた。
きっとまだどこか現実だと認識出来てないみたい。
「…確認すんなよっ!」
ってさっきの私みたいに茹蛸になっている。
そんな彼をみたら、
私と同じ気持ちなんだって思ってもいいんじゃないかって、
素直に喜んでいた。

