からかわれて、
ほんとにちょっと不機嫌になった私の頬に
彼が
そっと手を添わせる。
目を合わせないようにそっぽを向こうとしたら、その手で、クッと顔を持ち上げられた。
固定された先には
優しく微笑む彼の顔があった。
…そんな顔されたら、
怒ってた気持ちもスーッと治まっちゃうじゃん。
吸い込まれそうなほどに見つめ合う。
「ゆうの告白…嬉しかった。」
ポッと自分の頬が染まるのがわかった。
今にも天にも昇りそうな気持ちだ。
「……けど、」
そう続けられた言葉は一気に私の心を空高くから地上へと
叩き落とした。
…けど、けど何?
やっぱり…ごめんなさいなの…?
ズンズンと沈みゆく私の心は底を知らない沼にすっかり捕らえられていた。

