真っすぐ見つめる先には
少し頬を赤く染める川瀬君の姿。
照れてくれてるってことは、
嫌われてはいないよね?
けれど、なかなか答えをくれない彼に不安だけが心につのる。
「あの…気持ち伝えたかっただけだから」
"気にしないで"
と繋がるはずだった言葉は、
強い力にひっぱられて、のどの奥に引っ込んでいた。
「ちょっと待って。もう少し頭の中で整理させて?」
掠れ掠れの彼の声が耳元で囁かれる。
ドキッとして離れようとしても、その力強い腕がその抵抗を許さない。
私は
しっかりと川瀬君に抱きしめられていた。
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