あいの手紙




けど、


仮にも川瀬君がずっと想い続けてきたのは"昔"の記憶の中で止まったままの私でしょ?



それに比べて、
私が好きなのは、今ここにいる川瀬君。




これは、両想いって言えるのかな?




思い悩むのはこれ。



両想いのように見えてそうじゃない。



川瀬君が好きになったのは思い出の中の小さな私で、


きっと会えない間に頭の中でまるで理想のように成長した私を見てるんだよ。



だから
今の本当の私を好きになってくれる?



やっぱり、
それとこれとは別なのかな…




ぼんやりと手紙の文字がにじむ。

目に溜まる涙で
手紙に書かれた大好きの文字がぐにゃりとして見えた。





小さい頃の自分に嫉妬。



あの頃の私はこんなにも彼に思われていて。




ひねくれた自分が
素直に好きと言えないことに



また胸のモヤモヤが晴れない。