小さい頃のささいな思い出。
若気のいたりって言うか…
あの時はお母さんの言葉にまんまと乗せられて、
私はたっちゃんがいなくなっちゃうという寂しさから、
一心で
この手紙を書いたのだけど。
今こうして再び私の手に戻ってくるとは思わなかった手紙。
長い年月を越えて
今だまだその手紙の効力は有効なんだろうか?
たっちゃんが、ずっと大切に持っていてくれたのは嬉しい。
素直に嬉しい。
頭の片隅に浮かぶのは、
この手紙が発端となった事件。
事実、これが昔の私が書いたものだとわかった今、自分で言うのもすっごく恥ずかしいんだけど…
その・・・
つまり、川瀬君が好きな子ってのは、
昔の私…?ってことだよね。
大事にされていた手紙が証拠だってみんな言ってたし…。

