あいの手紙




嫌い、大ッ嫌いと


思うほどに、



いつも笑顔で
やさしい
たっちゃんの顔が

浮かんでは消える。





いつも一緒にいた。




遠足のときも



運動会のときも



お歌の時間も



お昼寝の時間だって


いつだってたっちゃんは隣にいて…


それが当たり前だった。




それなのに、いまさら遠くに引っ越しちゃうなんて、たっちゃんは
ずるい。



私の知らないところでまた新しい友達と仲良くなって…



私との楽しい思い出なんてきっとすぐに消えちゃう。

そんなの、






嫌!



私の心に闘志のようなものが燃え盛った。




「ゆうちゃん、もうお歌の時間だよ?」




いつまでも砂場にしゃがみ込んで動かない私を呼びにきてくれた先生の手を擦り抜けて

たんぽぽ組の私のかばんを目掛けて走った。


絶対このままバイバイなんて許さないんだから!


教室のドアを勢いよく開けて私は鞄に向かって駆け出した。



そんな私を、先生のオルガンに合わせて歌を歌っていた皆が、
なんだなんだと興味を示したのは言うまでもない。



けれど今の私にはそんなこと気にしている余裕なんてなくて、




かばんの中の落書き帳とクレヨンを取り出して


無我夢中で、

昨日お母さんに教わったまた会える"おまじない"を書き上げた。