紙はいたるところが擦り切れてて、 大切に扱わなきゃ今にもバラバラになってしまいそうだった。 逸る気持ちを押さえて そっと紙を開いたのに、 内容を目の当たりにしたその瞬間、 フラッシュバックしたように 記憶の断片が頭に戻ってきて、 紙を持つ手に力が入った。 記憶の中の私は 小さくて 全てのことを信じていた頃。 泣きわめく私に、 いつか必ず戻ってくるから、と 言い残した たっちゃんの姿だった。