気付いたら、後ろから前に私を包み込むように延びる腕が見えた。
え…?なに・・?
突然のことですぐには理解出来なかったけど、
首筋に微かに届く彼の吐息に、
後ろから抱きしめられてるんだ…ってことに気がついた。
「ゆう、俺って信用ない?」
続けざまに聞こえる彼の低い声が私の耳をくすぐる。
「もっと・・・もっと、俺を頼れよ。」
ギュッと腕に力が入ってきつく抱きしめられる。
同時に私の心も縛られたみたいにキュッと縮んだ。
「あ、あの…」
「あっ、悪い。」
永遠に時間が止まってしまったんじゃないかと思うくらい、長く感じた。
ぱっと腕を離した彼は
バツが悪そうに私の方を見ずに謝る。
今彼がこっちを見ていなくて…よかった。
きっと今の私は茹蛸みたいに真っ赤だから。

