「ん?どうしたの?」
私の言葉に反応して思い出に浸っていたお母さんがこちらに顔を向けた。
っていうか…
どうしたの?じゃなくてさぁーっ!!
「お母さん!!この子は"たちばなゆうご"くんだよっ!?やっぱり今日の人違いっ!今日私が一緒にいたのはゆうごくんでも、"かわせゆうご"くんなんだからっ!苗字違うじゃないっ!!」
そう、ゆうごくんなんてこの世界にゃ何人も何十人も、はたまた何百人だっているかもなのにっ!
けど
私のお母さんは
もう一度写真を覗きこんでとんでもないことを言ったんだ。
「あら、離婚でもしたんじゃないの?あそこの家族あんまり夫婦仲がよろしくないって言われてたし…」
ってなんてことを言うんだあーーーっ!!!
人様の家庭の事情を自分の都合のために、そこまで軽々しく語るんじゃないっ!
目玉がとびでそうなくらい目をかっと見開いて私はお母さんを凝視した。