…なんか、やだ。 そう思い、 そうですか。とだけ言って閉めようとしたのに。 「言い忘れてたけど、 あなた相手なら楽勝ね、すぐに広人、奪ってあげるから。」 にやり。 そんな笑みが見える。 その言葉に固まってしまった私は、 ドアを閉めることもできず、 彼女が、エレベーターで下に降りていく姿をただただ 見ていることしか出来なかった。