手元に目線をうつす。




なんの変哲もなければ、かわり映えするものでもない、



白い封筒。


宛名も書いてないし、
切手だってはってない。





…でも裏返してみると
隅っこの方に

"涼"


そう小さく書かれていた。





ある意味最終手段。


メールは来ても見ない、
電話も出ない、
家に来ても居留守。



そんな私との最後の連絡手段だ。



これだけ酷いことをしてきたのに、それでもなお



涼は
こうして手紙をくれた。


そのことで
ほわっと心があったかくなっている私は麻結と一緒で心が弾む。



けど、それでも一抹の疑念に囚われる私の心の矛先は、



この手紙の中身。





涼が会いに来てくれたことに喜びすぎてたけれど、



来てくれたからって
中身が決して良い内容とは限らない。




私との関係をはっきりさせたくて、の別れ話かもしれない。




そう考えてたら


中身を確認したいという逸る気持ちは自然と押さえ込まれた。