「由良ァ~?
まだ仲直りしてないの?」



喫茶店の奥まった席。
心配してくれる麻結を傍目に私は流れ行く人の波をぼーっと眺めていた。




「…うん。
どうかなぁ~…」


一度麻結を見遣ったけど、自分のふがいなさに目を合わせることもできなかった。



涼とこのまま自然消滅。
そんなの嫌なのに、こんなに長い間連絡すらとっていないのだから、


まだ付き合っているといえるのかもわかんないや。





「…涼くん、家にまで来てくれてるんでしょ?由良意地張りすぎだよ。」




意地っていうか…




「最近は涼も来なくなっちゃったよ…もう私に愛想尽きちゃったのかもね!」





「そんなことないよ!」


麻結は必死になって否定してくれるけど、


今の私には、否定してもらうほどの価値なんてなくて…

どうこうしようなんて全く考えていない目の前が真っ暗な状態の中、



流れに任せるがまま、
このままの状態が続いちゃうのかな…



そんな


他人事のように感じていた。