「ククッ…そうだね。」
唇に息がかかる。妙に意識してしまう。
どっちかが少しでも動けばくっついてしまうくらいの距離。
この距離がもどかしく感じる。
「由良ちゃん、キスしていい?」
いちいち確認をいれてくれるのも涼の可愛いところ。
私はうんと言う代わりに自分からあと残り少しの距離を埋めた。
チュっという一瞬の出来事。
けど、涼を驚かすには充分で。
普段私からしたりすることって滅多にないから。
大きく目を見開いた涼は明らかに動揺して、辺りは真っ暗だけどきっと顔中真っ赤に染まっている。
してやったりという目で見ていたら、
またしても一瞬のうちに、けれど今度は涼がわたしの唇を奪った。
「いきなりは反則でしょ。」
まだ若干照れの残っている涼はくちびるを尖らせてすねているみたい。
「いきなりじゃないよ?だっていっつも涼のことばっかり考えてるもん。」
結構恥ずかしいセリフなのに今はスラスラ口から流れでるよう。
感覚が麻痺したみたいに私はこの甘い時間に酔いしれる。

