私が中に入ると窓際の男の子が私の存在に気がついた。 なるべくここは顔を合わさないように… 腰を低くそそくさと自分の机に向かった。 「えっ!?中西…?!」 この声って… 声の主と思われる人物の方を思わず振り返ってしまった。 なんでよりにもよって彼の告白現場なんかに居合わせてしまったんだろう… ほんとタイムリーすぎるよ。 夕日で顔はよくみえないけど、もうその声だけで、その立ち姿だけで彼が誰だかわかってしまった。 「……川瀬君、」 この時ばかりは、この自分の悪運の悪さを呪うしかなかった。