「由良ァ~助けてぇ~…」
うなだれるように隣の席に座るのは友達の麻結(まゆ)。
ワンピースから覗く長い手足をだらーっと伸ばして
机に突っ伏す。
「まだ、時間あるんだから諦めないで頑張りなよ。」
「だって文系なのに数学だよ!?なぜ、数学!!もうやりたくないから、文系に進んだのにぃー」
愚痴を零すのは、経済の講義。
グラフがでたりちょっとした関数の計算があったりする。
元々数学は好きだった私にとってはそこまで苦じゃないけど、
どうやら、麻結には堪えるらしい。
「早くおわれぇー!
早く来い夏休みぃー!!」
念じるように手を顔の前で合わせてる。
「はいはい。テストが終わったら、夏休みはくるからねぇー」
軽くあしらって、私は手元の手帳に視線を移した。
試験のつまった予定から少し離れたところに
"涼と海"とペンで小さく書き込む。
「あれぇ~デートのご予定?」
覗き込むようにして、さっきまでうなだれてた麻結がぴょこんと顔を表す。

