心が先か命が先か

小学校の事を思い出しながら、亜々は明日の休み時間は、加奈子のクラスに自分から遊びにいくことにした。
次の日、休み時間に、加奈子のクラスをのぞいた。
スカートを短くして、髪の毛にはキラキラ光るピンとサラサラな伸びた髪は加奈子と、亜々に距離をもたらせた。そして、笑顔で、友達と楽しく話す加奈子に声をかけれず、亜々は、自分のクラスに戻ってしまった。
亜々は複雑な気持ちをかかえながら、その日の授業をうけた。
その日、亜々は、久しぶりに母親に相談をした。
加奈子と距離ができて友達が終わってしまいそうな不安感ができた話しをした。
亜々の母親は、加奈子のお誕生日が近いのに気づき、次の日曜日に家で、加奈子のお誕生日会を提案してくれた。
亜々は、さっそくお誕生日会のお誘いレターを書き始めた。
休み時間に、自分から加奈子に手紙を渡しにいくのは、始めてで、亜々は、いつも自信作の手紙をこの日は、めずらしく何回も読み返して緊張をしていた。いつも加奈子が亜々を迎えにきていたのだ。
加奈子とは、久しぶりに話しをした。加奈子は少し大人に見えた。
手紙を読み終えた加奈子は「ごめん、日曜日デートなの」と亜々に言った。亜々は戸惑い「デート?」と聞き返した。
「うん、彼氏にお誕生日をお祝いしてもらうの」加奈子は、嬉しそうに微笑みを浮かべた。
亜々は、複雑な気持ちから加奈子を初めて嫌いになった。(なんでも話す約束したのに…)と、当惑しながら廊下を走っていってしまう亜々の姿を加奈子は、追わなかった。
日曜日がきて、亜々の母親は、ケーキを焼いていた。そして、亜々と加奈子におそろいの髪ピンを用意していた。
「加奈子デートだから、今日こないって…」低い声で、母親に伝えた亜々は、二階の部屋へ、上がっていってしまった。
母親は、焼いたケーキと髪ピンを亜々に渡しにきた。「亜々は、好きな人いないの?」「命と同じくらい心も大切にしてね」
母親の言葉は、いつも心に響く。
亜々は、母親の魔法がかかってると言われるケーキと、プレゼントのピンをもって、加奈子の家にむかった。
インターフォンを押すと、加奈子がでてきた。
亜々はほっとした。
「加奈子お誕生日おめでとう」亜々は、玄関先で加奈子に魔法のケーキとピンを渡した。加奈子はそれから、加奈子は彼氏の話しをしてくれた。