心が先か命が先か

 それは、亜々が小学校4年生のある日の事…。
亜々が登下校を毎日、一人でしているのを当時の担任の先生が見て、「友達をつくりなさい」と言った。
休み時間に、亜々が一人で教科書を読んでいると、「友達と校庭で遊びなさい」と怖い顔をして、亜々に注意していたのだ。
亜々は、休み時間に、担任の先生に注意されるのが嫌になり、休み時間は、校庭にでて、ボーとしていた。やがて休み時間が憂鬱になり、学校にいきたくなくなった。
亜々の母親は心配になり、亜々にいった。
「学校で嫌な出来事があった日は、お母さんになんでも話してね」
母親は、魔法でなんでも解決できるのだといった。亜々は、母親にぽつりといった。「友達のつくり方がわからない」と心の悩みを打ち明けた。
 その次の日、亜々は母親と登校をしながら、ある家に寄ったのだ。
それが、加奈子との出会いだった。
となりのクラスの加奈子と、加奈子の友達と3人で登下校してもらうことになった。
授業の間の休み時間も、加奈子と加奈子の友達が「亜々ちゃん、あっそっぼー」と迎えにきてくれたり、帰りも、「一緒に帰えろー」っと、クラスに迎えにきてくれたりした。
5年生になって、亜々と加奈子は同じクラスになった。とても仲良しになっていった。
 6年生に進級した時も、クラスかえがなく、二人は、なんでも話せる親友になっていた。
 亜々は、独りっ子で加奈子に「姉妹(キョウダイ)がほしい」といったとき、加奈子が「うちできょうだいゴッコしよー」となり加奈子の家にいき、加奈子と4歳違いの妹と、きょうだいゴッコをした。
きょうだいゴッコの遊びが楽しくて、亜々は、夕ご飯も加奈子の家でご馳走になったりもした。
学校の長い休みの時は、きょうだいゴッコのお泊り会もした。
あるとき加奈子が「お父さんがほしい」といって、今度は、亜々の家で、家族ゴッコをすることになった。
加奈子が家族ゴッコで遊びにくる日は、亜々のお父さんは、早く帰宅した。加奈子も、亜々の家に泊まる家族ゴッコのお泊り会をしたり、お互いの家族で、車や電車で親達は、色々な場所に二人をつれていって出かけたりしてくれた。
中学生になってからは、家族でまったくでかけなくなったり、加奈子が部活で、友達ができてからは、二人は全然あってなかった。
中学校という場所は、大きく環境の変化があった。