女は今にも泣きそうな顔で席を立ち上がった ここでタバコを買うには表の自動販売機まで行くしかなかったからだ そんな女の姿を見て好江は自然と表情が緩んだ 『な〜んだ…普段威張ってるくせに所詮こんなもんか…』 なんだかここに一人で来た自分が誇らしく思えていた そして怯えた表情の女が重い足取りで正面入口に向かう 好江は思わぬチャンスにそっと後を着けた 『まず一人…今なら潰せる…』 しかし好江はサイドボールの怖さをこの後、再認識させられるのであった ………