唯一、親友がいた。
同じ部活動の平田望。
その子が支えで、毎日の楽しみだった。
ある日、すれ違い様に「お前と違って私は幸せだよ」と言われた。
その時、稜子は気付いた。
自分は幸せじゃないのか と。
それから親友にガムテープを頭に貼られたり、机に油性ペンで落書きされたりしたが稜子は親友を失いたくなくて、泣きたい気持ちを笑って誤魔化し続けた。


そして体育教師からは嫌われていて、存在を否定された。
体育の授業が来ると、必ずトイレで過ごした。

これらが稜子の引きこもりの原因になったのかもしれない。
他人との接触がとにかく怖く、喋る時は声が裏返り、手が震えた。
そして、自分が嫌いになり全ての意欲が薄れていった。