「やぁ、どこにいくの?」


私はその声に足を止めると、きょろきょ
ろと周りを見渡した。

だけど、どんなに視線を下に送っても、
そこにはなにもいない。

不思議に思っていると、バサバサと
羽根の音が聞こえてきて、何かが私の
肩にちょこんと乗った。


「あぁ、君か」


私の肩に乗っているのは、一羽の黒い
カラスだった。