ふたつの指輪

「ほんとに……いいんですか?」


おびえたような声が自分の口から出た。



「だって、お金、払ってるでしょ?」

「上司が勝手に払ったから、構やしねぇよ」


その人はベッドにどっかり座ったまま、目だけ動かして、あたしを射抜くようにジロリと見た。



「あんた、若いな。年ごまかしてないか?」

「……18です」

「18からオッケーなんだっけ?……こういうところは」


安っぽい部屋を見回す。




「40分か。長げぇな。

まぁゆっくりしようぜ。座れよ」


「……」


あたしは言われるままに、その人から少し離れたところに座った。