ふたつの指輪

「きゃ、ちょっと待って!」


(もう……せっかちなんだから)



階段をタンタン……とリズミカルな足取りで降りると。

尊さんは、駐車場に駐めてあったシルバーの車に乗り込んだ。


「乗れ」


助手席を示す。



(車、あるんだ……)



さすが社会人。


なんて感心しつつ、助手席にすべりこんだ。


「ちゃんとシートベルトしろよ」


言われるままに、シートベルトに手を伸ばした。




正直、やり方がよくわかんない。

うち、自家用車があったことが一度もなかったし。


シートベルトを引き出そうとすると、ガッと止まってしまって、それ以上出てこなくなっちゃった。